歌の中の歌
宇宙的なカップルのロマンス |
ソロモンは千五百の詩を作りましたが、その中で最も美しいのが雅歌です。その内容は、男女の愛情の親密さを明らかにしています。夫は花嫁の美しさを褒めており、花嫁は夫の態度の優雅さをたたえています。言葉の中には多くの情熱的な表現がありますが、昔も今も敬虔に、また熱心に主に仕えてきた信者たちは、このような情熱的な言葉で神への愛を表してきたのです。
雅歌はイスラエル人が作ったものであり、イスラエル人とエホバとの関係を表しています。しかし、雅歌の真髄は、キリストと教会との関係の予表です。
古代のユダヤ人は、過越の祭りの時にこの歌を朗読しました。そして神がイスラエル人を導いて出エジプトさせた物語を、すなわち「一人の偉大な王が一人の卑しい娘を愛する」のように、神がイスラエルをめとって妻としたことを、記念しました。預言書の中でも、イスラエルは神の妻と呼ばれています(エレミヤ3:1、エゼキエル第16章、第23章)。さらに、予表の観点から見ても、新約の中で教会はキリストの花嫁と呼ばれています(マタイ9:15、第25章、ヨハネ3:29、Uコリント11:2、エペソ5:23、啓示録19:7、21:2、22:17)。このゆえに、この詩が述べている男女の歓びと愛情は、まさにキリストと教会の関係の予表なのです。聖書はアダムとエバの結合によって、キリストと彼の花嫁を予表しています。これは、クリスチャンと神との正常な関係が、夫婦の間の親密で甘い関係であることを示しています。
しかし、雅歌を研究する人は、霊的で正確な観点を持って、神が啓示しているこの書の霊的意義を誤解しないようにしなければなりません。聖霊がソロモンを感動させてこの書を書かせ、それを正典の中に入れられた目的は、どのようにしてキリストがご自身によって贖われた者たちを愛されたかということと、彼によって贖われた者たちがどのようにして愛をもって彼に応じ、彼に従っていくべきであるかということを、わたしたちに理解させるためです。信者を愛するキリストの愛は、人の言葉で言い表すことができないほどに高いものであり、聖霊が婚姻の愛によってのみ明らかにすることができるものです。この書の言葉は、聖霊の導きがなければ、理解することは本当に困難です。
『歌の中の歌』は、主のしもべウォッチマン・ニー兄弟が聖霊の導きを受けて、雅歌の要点を解釈したものです。そして、主の愛に引き寄せられ、主を熱心に追い求める者が、どのようにすればこの愛の道を知ることができるかを、神の子たちにはっきりと描き出したものです。本書にはまず序言があり、雅歌という本の読み方について指示を与えています。それから雅歌を六つの区分に分けます。これらは、初期の追い求めと満足、自己から解き放されるための召し、昇天の召し、復活の後の十字架の召し、神の働き、肉のうめきというものであり、クリスチャンの霊的経験の原則を詳細にわたって解釈しています。この書からわたしたちが見ることのできるものは、天の花婿であるキリストが、ご自身の命によって贖い出した人に求婚し、初期の結合よりもさらに高く、さらに深い結合へと彼らを導き、愛と慈しみの縄で彼らを縛り、彼らに自己の天然の命を捨てさせ、ついには実際の経験の中で彼の命と一つにならせるということです。
今わたしたちは喜んでこの書を皆様にお勧めします。神がただ創造者、贖い主、救い主であるだけでなく、わたしたち信者の夫でもあることを、皆様が認識することができますように(Uコリント11:2)。神は、あなたと合併して一つになって、神性と人性が共に生き、新婚の夫婦のように甘い一の生活を送ることを願っておられるのです。
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