勝利を得る命 喜びの生活の秘訣 　あなたは、クリスチャンには八つの失敗と九つの成功があることを知っているでしょうか？　本書は、クリスチャンの失敗から、勝利を得ることの必要性をわたしたちに見せ、わたしたちの中で命となっているキリストがわたしたちの勝利であることを明らかにし、勝利を得ることの性質をわたしたちに見せ、わたしたちを導いて、勝利を得る命を経験させ、その中へと入り込ませます。 　ほとんどのクリスチャンに共通の一つの問題があります。救われた当初は、神が与えてくださった罪の赦しの平安のゆえに、心が真に喜びに満ち、毎日神との交わりの中に生き、とても甘く、とても望みがあり、どんな罪悪にも打ち勝つことができ、どんな困難をも解決することができるかのようです。しかし、良いことは長くは続きません。いくらも経たないうちに、すでに勝利を得たと思っていた事柄が再び戻って来たかのようです。短気も戻って来ます。高ぶりも戻って来ます。嫉妬も戻って来ます。この世もいつの間にか入り込んで来ます。毎日の生活も失敗が多く、勝利を得ることは少ないです。そこで、主によって何とか克服しようと決心します。ある時は克服することに成功し、勝利を得たと感じます。克服できない時は、自分はまた失敗したと悔やみます。毎日このように、失敗しては勝利を得、勝利を得ては失敗します。罪を犯しては後悔し、後悔しては罪を犯します。この繰り返しの生活です。何と苦しいことでしょう！　 　しかし、わたしたちは聖書から見ることができますが、神が定めたクリスチャンの命というものは、喜びに満ちた命であり、完全な安息の命であり、神との交わりに隔てのない命であり、この世に対して渇かない命であり、罪悪の外を歩むことのできる命であり、環境に打ち勝つ命であり、光に満ちた命であり、完全に聖となる命です。このような命があれば、安息、喜び、命、力に満ちていて、しかも神のみこころを満たす生活を送ることができます。 　わたしたちの生活を調べてみましょう。聖書の中で神がクリスチャンのために定められたものと、なぜそんなに異なっているのでしょうか？　わたしたちは神の定められた生活をすることを慕い求めているでしょうか？　そうであれば、ニー兄弟の著作である「勝利を得る命」の助けが必要となります。 　興味深いことに、本書はどのようにして「勝利を得る生活」を送るかを強調するのではなく、わたしたちが「勝利を得る命」を認識するよう導いております。この勝利を得る命はまさにキリストご自身です。わたしたちは、短気、罪悪、この世、個性に打ち勝たなければならない、いつも霊的に力を尽くして祈り、聖書を読み、自分を抑え、忍耐しなければならない、と常に思います。しかし、勝利を得ることはもともとわたしたちとは何の関係もないということには、思いもよりません。勝利とはキリストなのです。 このように、本書はまず勝利を得る命の性質をわたしたちに明らかにします。それでは、どのようにすればわたしたちは勝利を得る命を経験し、その中に入り込むことができるのでしょうか？　鍵はガラテヤ人への手紙第2章20節にあります。わたしたちは、自分はただ死にふさわしいだけであり、勝利を得ることができず、勝利を得ようと思うべきでもないことを認識する必要があります。これが、わたしたちが勝利を得る第一歩です。しかし積極面では、神はできると信じるべきであり、信仰を用いて、神の成就された事実を証しすべきです。このようにすれば、勝利を得る命の中に入ることができ、勝ち得て余りのある勝利を享受することができます。 　本書は、ウォッチマン・ニー兄弟が1935年に語った十一編からなるメッセージです。本書はおもに、この尊いキリストがわたしたちの中におられ、この方こそがわたしたちの勝利であることを語っています。暗やみの中から｢光りあれ｣と命じられた神が、この言葉によってわたしたちの心の中を照らし、わたしたちを導いて勝利を得る命へと入らせ、喜びの生活を送らせてくださいますように。

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